死ぬまで100企画「ドラマのようなサプライズをする」


死ぬまでにやってみたいこと100企画

「ドラマのようなサプライズをする」

時は、10月の中旬。
飲み会が終わって、家路に着く。
家でのんびりしていたら、飲み会で一緒だった子からラインがきた。

「今日はありがとうございました。楽しかったです」
「いえいえ、こちらこそ。また何かあれば飲みましょう」
「はい。お願いします」
「はい」
「あ!」
「はい?」
「私今、したいことがあるんです」
「どんなこと?」
「あの元気ハツラツの女性いたじゃないですか?私、あの人と仲が良いの知ってます?」
「いや、知りませんでした」
「仲良しなんですけど、あの人が来月誕生日なので、お祝いしてあげたいんです」
「いいじゃないですか、やってあげましょうよ」
「そこでなんですけど、サプライズしませんか?」
「サプライズ?」
「はい! サプライズバースデーをしてあげたいのです」
「それ、すごく面白そうだね。てゆうか、俺もサプライズしたかったんですよ」
「やりましょう!」

思い付きから決定までの流れはわりと早かった。
自分も元気ハツラツの女性のことは知っていたし話したこともあったから、お祝いしてあげてもよかったし、ドラマのようなサプライズをしたいってのはやってみたいリスト100にはいっていたから、良いチャンスだとも思ったから。

 

10月末。
サプライズバースデーに向けて、諸々の準備を進行。
ただ、この企画のもう一人の幹事の子の行動力は凄まじいもので、場所と日程、当日のケーキを作るシェフまでもう既に手配をしていた。
話を聞くに、こういうサプライズがうってつけの場所やプランニングをしている人と知り合いで、相談をしたら秒速で決まったらしい。場所やシェフなんかが決まっていればもう6割方当日に困ることはないだろう。

とはいえ、場所を借り切るには最低40人以上の人員(金額)が必要で、1人3500円としても140,000円以上の費用が掛かる計算になる。

つまり、40人未満であればこちらが赤字を切ることになるわけだ。
そんなリスクを抱えつつ、12月の初旬に行われるサプライズバースデーのための集客を実行した。

 

11月1周目。
まずは、集客の仲間集めを開始。2人で人を集めるのには限界があるし、要領も良くない。人が人を呼ぶ仕組みさえ作ってしまえば、蜘蛛の巣のごとく人が集まるようになる。いわゆる、バイラルマーケティングの考え方なわけだけど、これがハマれば集客なんてあっという間だ、と安易な考えで進行した。

仲間はわりとカンタンに集まった。というのも、主賓の彼女は人徳に熱く、元気溌剌で、人から好かれる人間だったから。つまり、言い換えれば品が良い。マーケティングにおいて、品が良いなんていうのは宣伝側からすれば善以外のなんでもなく、とてもやり甲斐のあることだ。

こんなのあるよ主賓はあの女性だよっと言ってあげたら良いのだ。

もちろん、宣伝側にもこのサプライズバースデーにおいての任務はある。伝えるだけではなく、気付いていない人にも教えてあげることもミッションのひとつだ。

 

まず、仲間用のグループラインを作った。本当に少人数でやる気のある人のみを集めたグループ。過ちを犯さないように、まず幹事がやりがちで失敗に終わることに、最初に一気にグループを作って、みんなに協力を仰いでしまうことだ。これは実によろしくない。参加者には、ひとりひとりいろんな思惑があるから、多様な方向を持つ人たちを一つのグループに集めてしまうと必ず衝突が起こる。そして、それを鎮めようと威圧的に命ずると幹事さえも潰される。少人数で、ちょっとずつ増やしていくのがベストなやり方なわけだ。みんなのグループラインは当日の前日、もしくは作らなくても良いもんだと思う。(最後に触れるけど、最終的にみんなのグループラインを作ってしまったから、棄権者がちょっと出てしまった)

グループラインに追加する人の順番については、とても配慮を加えた。
ランダムに参加者を追加してしまうと、よくわからない人が指揮を取り始めたり、別の会の告知をしたりと渾沌な状態になりかねないから。

追加する人の順番は
1.参加不確定でラインで話さない人
2.参加確定でラインで話さない人
3.参加不確定でラインで話す人
4.参加確定でラインで話す人
の順番で時間差で追加するのがいいと思う。ラインに積極的ではない人を仲間として認識を強めることで、そのグループラインの団結力は強まる。政治でもそうだけど、人間社会では強者より弱者の方が圧倒的に多い。人間に対して不器用な人こそ丁重に扱うことが重要になるのだと思う。

 

11月2周目。
有志の仲間が声をかけあってくれたお陰で、目標の50%くらいの集客に成功した。しかし、まだ50%到達しないことには赤字がでてしまう。そして、ドタキャンを考慮すると、目標の120%くらいは欲しいところ。

そのため、フライヤーの制作にあたった。街イベントなんかで配布するような紙面のポスターみたいなあれ。だけど、あれは実はあまり効率が良くない。紙で配ったポスターからの集客はおそらく150枚配って1人獲得くらいのもんだろう。つまり、20人捕まえるためには、3000枚配布する必要がある。紙面なんかは、ほとんどが無駄になるのだ。

一方で、Webであればちょちょっと作ったモノの複製はカンタンでいくらでもコピーが出来る。だから、今回はWeb上のみで拡散するためのフライヤーの制作にあたった。そして、受け取った人がまた他の人にサプライズバースデーの存在を知らせるためのハードルを低くするためにもWebのフライアーは効果があると思って作った。

 

11月3周目。
フライアーは効果てきめんだった。みるみるうちに人が増え、あっという間に目標の95%まで到達。後、残り一週を考慮しても赤字を作らずの開催ができるなところまできた。

ただ、ここからはプラスもあればマイナスもある週になる。
突如、グループラインから消滅する人であったり、帰省することになったり、仕事が入ったり、風邪を引くようになったりと、なかなか100%を超えることが難しい状況にもなった。

ここで幹事が慌ててしまうと、参加者にもその焦りが伝えり不安になり、棄権に繋がるスパイラルに陥ってしまうから、至って気にしない素振りが重要になってくる。

 

11月4周目。
100%はなんとか超え、後は諸々の当日に向けた準備をするだけだった。しかしここで少し問題が起こった。というのも、グループラインでサプライズバースデーについての熱い想いなどを語ってしまう人がでてしまった。

「あの女性は本当にいい人で、彼女のおかげで私はとても救われました。だから今回のサプライズバースデーで彼女への恩返しを少しでも出来ればと思って参加しました。彼女がいらっしゃったらすぐにでもおめでとうと言ってあげたいです」

崇拝者のようなコメントが流れてしまった。ただでさえ、ラインというお互いの顔を知らない仲なのに、こういうコメントが流れてしまうと宗教かなにかと思われ怖がられてしまう。現に、参加者の数人が飛んでしまった。何か買わされるんじゃないか、何か勧誘されるんじゃないか、そういう雰囲気でライングループで醸しだされてしまった。

だから自分は、みなを落ち着けせるために
「気楽にまったりと、みんなで飲み食いしましょう」
それだけでいいのだ。重々しくする言う必要も、説明する必要もない。

参加者はあくまで参加者で、何も気負う必要はないということを伝えるだけでいいのだ。

 

当日。
サプライズバースデーは無事に開催。
元気ハツラツの彼女は、もう一人の幹事と今日は2人だけでランチの予定。のつもりで待ち合わせ。僕たちは、事前に皆でお店に集まって、流れの理解と音源のチェックをした。

幹事が彼女を迎えに外出して、その間、参加者に今日来てくれたことに感謝と御礼を言い、彼女から参加者が見えないようにカーテンに仕切り、来店を待った。

彼女は何も知らずに、お店に到着し、席に座る。
少しして、大きな音でハッピーバースデーの曲が流れる。
彼女の席まで行き、彼女は困惑。
「君、何してるの?」
「まぁいいから、こちらへ」

カーテンまで誘導し、仕切りを開ける。
彼女の目の前には大勢の人が待ち構えて、彼女に向けて拍手。
いつも元気な彼女は感極まって、涙をながしていた。
そんな彼女に対して、みんなでおめでとうと一言を投げた。

ケーキにロウソクを立て、火を付けると、
彼女は大きな息を吹きかけて、耀かしい灯を消した。

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